カワムツ・ヌマムツの婚姻色を追う。(埼玉県)

毎日暑い日が続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
私は相変わらず魚を求めてウロウロしております。





カワムツを求めて

関東でも身近な魚になりましたカワムツを探しに、埼玉県の奥地?を調査してまいりました。都内の自宅から2時間かけて、目的地の河川のある駅まで向かいます。

あ~遠い 遠い・・・

駅からバスは1時間に1本でして・・・
コンビニは駅前に1軒のみ・・・
食料と水分の確保でバスを諦め、コンビニへ直行!
結局、ポイントまで30分歩くことにしました。

たわわに穂をつけた田んぼが広がる、里山の風景。
素晴らしいですね。

途中、無人販売で購入した朝どれミニトマトを頬張りながら歩きます。
農作業の方々に挨拶すると「釣りか?」と聞かれます。
このご時世に、普通に会話できるのが嬉しくなりました。

汗だくになりながら、目的の川に到着。
事前にグーグルマップで検索していたので見慣れてしまっているのですが、現地に着くとホッとします。
釣りの前に川をゆっくり調べる。

う~ん
魚がいない。

下流で遊んでいた小学生に「魚いる?」って聞いても、「いないよ!」って言われた・・・。

そんなはずはない!と自分を信じて仕掛けの準備。
こんな時は、絶対的に自信のある玉ウキ仕掛けだ。
2メートルのロッドに、スピニングリール。
1センチほどの玉ウキに、ガン玉B+秋田狐針3号+ミミズ3センチ
ウキ下を50センチにセッティング。

夢中で仕掛けを作っていたら、目の前にお爺さんがいた。
こんな場所で釣りする輩も珍しいようで、しばし話し込んでしまった。
どうやら、少し上に支流があり、その支流から温泉が流れ込んでいるとの情報。

なるほど。
温泉=魚いない

理由がわかれば、上流を目指そう。

温泉支流より上に行けば、釣れたよ。釣れた。
カワムツ(川鯥、Nipponocypris temminckii)
綺麗ですね。
学名にNipponが入る魚。
関東でもお馴染みな魚ですが、実は元々は関西出身のお魚です。
まぁ、いろいろな理由で関東にも棲息域を広げています。



カワムツの釣り方

こちらは、別河川でのカワムツ釣りの様子です。
身近なカワムツですが、実は警戒心が非常に強く、釣りづらい魚です。
狙うポイントは、下の写真の流れが緩む場所になります。
川からも距離を取って、姿勢を低くしてロングキャスト!

カワムツは居れば一発で釣れます。
ただし、1匹を釣ってしまうと他のカワムツが警戒してしまい、連続で釣果を上げるのが難しい魚です。

暑い時期は、魚も木陰や水草の影に隠れています。
下のような、木陰のポイントに魚は隠れています。
上流から仕掛けを木陰に入れてみてください。


5月から8月は、カワムツの婚姻色が綺麗な時期。
全身が黄色く色づいた個体は美しいですね。

 

また、カワムツはルアーでも釣ることができます。
3~5グラムのスプーンやスピナーがお勧めですよ。
ルアーターゲットとしてのカワムツも魅力的な魚です。




関東圏まぼろしのヌマムツを求めて

ヌマムツ(沼鯥、Nipponocypris sieboldii)と言う魚をご存じでしょうか?
琵琶湖周辺から九州にお住まいの方なら、ご存じかと思われます。が、関東では無名。
それもそのはず、長い間、カワムツA型・カワムツB型と呼ばれカワムツと同種とされていました。
が、
2003年、カワムツA型と呼ばれていた個体を、新和名「ヌマムツ」と命名さ、カワムツとは別種になりました。

埼玉の里山での釣り目的は、この「ヌマムツ」探しが本来の目的でした。
炎天下、探し回ること数時間。
暑くて暑くて諦めかけて、涼しい木陰で休憩していました。
ふと川に目を向けると小魚がいました。
まさか!と思い竿を出すと・・・
釣れた?

???

カワムツとちょっと違うぞ!
写真を撮って友達に確認する。

間違いないとの回答。
ヌマムツ同定!
どんな魚でも、探し求めていた魚が釣れると嬉しいですね。

 

後日、別河川でもヌマムツを確認できました。

カワムツとヌマムツの違いについて

①カワムツ

②ヌマムツ

最近まで同種と扱われてきたように、①②の写真を見ても違いが判りませんね。
以下、いくつかの相違点になります。
・背鰭起部から側線までの鱗の数が、②ヌマムツの方が多いです(鱗が小さい)。
・尻ビレの分岐軟条数が、②ヌマムツは9軟条と少ないです。
・胸鰭ビレや腹ビレの前縁が、①カワムツは黄色で、②ヌマムツはピンクになります。

目的のヌマムツが釣れてホッとしました。
ピンク色に染まる婚姻色のヌマムツは、また来年のお楽しみにします。

今回、埼玉県内を調査しましたが、こんな通勤途中にある川にもヌマムツは棲息しているかもしれませんね。
身近な河川をじっくり観察してみるのも楽しいかもしれません。

炎天下で夢中で釣りをしてしまうと、熱中症の危険を伴います。
長袖を着たり、帽子をかぶってください。
また、水分もしっかり補給して、休憩しながら釣りを楽しみましょう。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。