アユ釣りと言えば、高額で長い竿を使って楽しむ敷居の高い魚釣り。
そんなイメージがある方も多いことだろう。
ところが、近年ルアーを使ったアユフィッシングに注目が集まっている。
流行に乗り遅れぬように、僕もルアーでアユを狙ってみたのでレポートしたい。
目次
- 苔を独占するために縄張りを持つアユをルアーで釣る
- 9m 10万円の専用竿はなかなか買う気にはなれない
- 2022年梅雨 相模川にやってきた
- アユのルアー釣りに必要な道具について
- 川の流れだけでミノーが泳ぐくらいの流速がオススメ
- アユはバレやすい!焦らずゆっくり寄せて網でキャッチ
- 釣果UPのコツ①根掛かりしたらイカリ針を交換
- 釣果UPのコツ②一か所で粘らずに釣り降りながら広範囲に探ろう
- 釣果UPのコツ③友釣りが狙わないような場所も狙う価値あり
- 釣果UPのコツ④リーリングでもアユは掛かってくる
- 遊漁券を購入し、ルールを守って新しいアユ釣りを楽しもう
- 正直に言って。相模川のアユはそれほど美味しくなかった
苔を独占するために縄張りを持つアユをルアーで釣る
海から川に遡上してきたアユは、石についた苔を食べて成長する変わった食性を持つ魚である。
良質な苔が生える石を独占しようと縄張りを作るアユに向かって、友鮎と呼ばれる活きたアユに釣り糸とイカリ針を付けて泳がせ、追い払う行動を仕掛けてきたところを引っかけて釣り上げる。これが、アユの友釣りだ。
要するに、ルアーを使ったアユ釣りは、友鮎の役目をルアーに任せるという考え方であり、ルアーは餌としてではなく、縄張り争いの相手を演じるわけだ。
9m 10万円の専用竿はなかなか買う気にはなれない
アユの生態を利用した独特な釣法は面白い。確かに面白いが、なかなか1本数十万円もする竿を始めとする専門性の高い鮎釣り道具一式を買いそろえるにはハードルが高い。
特に、僕のように色んな魚を釣りたい釣り人にとっては、鮎釣りにしか使えない道具を購入する気にはなれないものだ。
そんなアユ釣りだが、普段使っているルアーロッドとリールで手軽に釣れるとなれば試してみる他ないだろう。
きっとこの記事を読めば、私も僕もアユのルアーフィッシングをやってみようかなと思うはずだ。それくらい簡単に、それも僅か3時間ほどでこれだけのアユが釣れたのだ。
2022年梅雨 相模川にやってきた
実は、釣行日の少し前にYouTubeの撮影でアユのルアー釣りを体験させてもらったのだが、その際も簡単にアユが釣れて、たった3時間ほどでロケが終わってしまった。鮎の大きさこそ、時季早々ということもあり10cm前後の小さなアユばかりだったがこんなに小さなアユでもルアーを追い払おうとするのかと驚いた。
何事も予習と復習が大切。僕は教えてもらったことを自分なりに解釈して、独りで釣れるようにならないと気が済まないので、後日、道具やポイント選びなど自分なりに考えてやってみた訳だ。
実釣日はあいにくの雨模様。それでも平日にも関わらず、相模川には沢山の釣り人が訪れていた。ルアーのアユ釣りが流行し始めていることを改めて実感した。
それでは、ルアーによるアユ釣り経験3回ではあるが、僕が感じたりアドバイスできることをまとめてみる。
アユのルアー釣りに必要な道具について
ルアーフィッシングでも友釣りのようにアユを引っ掛けて釣るため、通常のトリプルフックではなく、イカリ針を使用する。
イカリ針だけは、アユ釣り専用のものを購入する必要があるので迷わず購入しよう。コロガシ用のものを購入する必要はなく、友釣り用のもので充分掛かってくる。
ルアーは9cm前後のフローティングミノーがオススメだ。最近ではアユ釣り専用ミノーも1200円程度で販売されているので、自分のミノーで釣れるか不安という方は1つ2つ買っても良いだろう。
因みに、根掛かりしても大半は取りに行けるのでロストの心配は少ない。
ロッドはスピニングでもベイトでもどちらでもOK。長さは8ft~9ftが扱いやすい。シーバスロッドでは強すぎるので、バス用か本流トラウト用、メバルやアジングロッドなどが良いだろう。
リールは竿に合ったもの、ラインはPE0.3~0.6号、リーダーは3~6lbが良いだろう。
釣具の他に、アユを取り込む網と網を腰に差すためのベルトがあると良い。
アユを持ち帰る場合は、フラシや引き船があると釣れる度にクーラーボックスまで戻らなくて済む。
因みに、僕は玉ねぎ袋で代用した。
最後に忘れてはいけないのが靴だ。フェルト系の沢靴や鮎足袋がオススメ。磯や堤防で活躍するスパイクは川では滑るのでNGだ。
川の流れだけでミノーが泳ぐくらいの流速がオススメ
ルアーでアユを狙う場合は、膝までの水深と流速だけでミノーが上手に泳ぐ程度の瀬が狙い目だ。加えて人が抱えられるくらいの石があり、アユの姿が見えていればポイント選びとしては成功と言えるだろう。
アユが縄張りを持っていそうな石や流れに目星をつけたら、その上流5~10mくらいの位置に立ち込もう。
イメージとしては狙った石に横からルアーを侵入させるつもりでミノーを泳がす。
ダウンクロスにミノーをキャストし、糸を張りながら弧を描くように石にミノーを近づけたり、離してみたり。竿を左右に振って、他のアユの縄張りに入り込もうとするアユをイメージしてミノーを出し入れしていると、グググンッ!とアユが掛かってきた。
アユはバレやすい!焦らずゆっくり寄せて網でキャッチ
アユは身が柔らかく、とてもバレやすい魚だ。リールのドラグは極端に緩めて、ゆっくり取り込もう。
せっかく掛かっても頻繁にバレてしまうのだが、これが意外とスリリングで面白い。
一日数回しかチャンスが無いような釣りでバラすとストレスが溜まるものだが、アユ釣りは比較的頻繁に掛かってくるので、心にゆとりをもってスリリングなファイトが楽しめる。
釣果UPのコツ①根掛かりしたらイカリ針を交換
石の周りを執拗に攻めるアユのルアー釣りには根掛かりは付き物だ。浅い水深で楽しむ釣りなので、引っかかったら取りに行けば良いだけだが、この時、イカリ針が岩に掛かっていると針の先端は高確率で痛んでいるので迷わず交換しよう。
釣果UPのコツ②一か所で粘らずに釣り降りながら広範囲に探ろう
相模川では、縄張りを持つアユもルアーにスレるような印象を受けた。
釣場が空いていれば、一か所で粘らずに少しずつ釣り降りながら広範囲に探ってみよう。
釣果UPのコツ③友釣りが狙わないような場所も狙う価値あり
今回の釣行ではボサ周りでもアユが掛かってきた。このような小場所はルアーによるアユ釣りでしか攻められない場所と言えるだろう。
釣果UPのコツ④リーリングでもアユは掛かってくる
一般的なルアーフィッシングのようにキャストしてゆっくりとリーリングするだけでも、アユは掛かってきた。ただし、この釣り方は些かコロガシ釣りの要素が強い印象を受けた。同じ石にルアーを出し入れしながらアユにルアーを追わせる釣り方の方がゲーム性があって僕は好みだった。ルアーにギュン!と絡んでくるアユの姿が至近距離で見えるのがやはり楽しい。
また、過度なロングキャストは他の鮎釣り師に迷惑になる場合があるので、釣り場の混雑具合を見ながら判断したいところだ。
遊漁券を購入し、ルールを守って新しいアユ釣りを楽しもう
ルアーを使用した鮎釣りは、まだまだ新しい釣法であるため禁止されている河川も少なくない。ルアー釣り禁止やリール釣り禁止と遊漁規則に定められている河川にはくれぐれも釣行しないように。
去年、今年と続々とルアーによるアユ釣りを解禁する漁協が増えている。必ず、事前に遊漁規則を確認した上で遊漁券を購入し、ルアーによるアユ釣りを楽しんで欲しい。
正直に言って。相模川のアユはそれほど美味しくなかった
天然のアユと言えば、美味しいに決まっている。そう感じるかもしれないが、アユは川によって味や香りが大きく異なる。
今回釣行した相模川のルアー釣り可能区間のアユは、お世辞にも美味しいと言えなかった。活きた状態で氷締めし、その場で消化管内容物を絞り出し、精一杯できる限りの下処理をしたのだが…。この区間は、餌も水質も美味しいアユが育つ場所ではなさそうだ。
あくまでも僕の主観ではあるが、少なくとも腹は出してから焼くべきだし、天然アユの食味を楽しみに相模川へ釣行しようとしている方は要注意だ。
とは言え、ルアーによるアユ釣り自体はお手軽でゲーム性もあり楽しかったので大満足だ。もう少し色んな川でやり込んでみたい気持ちすらある。