全旅程を終えてマナウスに戻ってきた
長かったようであっという間だった旅も残すところ18時間。
そうだ。憧れの魚が1種類釣れていない。マナウスの街中で釣れるか試してみようではないか。
季節外れの大雨によって増水したネグロ川
期待に胸膨らませてブラジル・マナウス国際空港に降り立ったのは、もう一ヶ月も前のことだ。
以来、まるで雨季真っ只中のような雨が連日連夜降り続き、ネグロ川はみるみるうちに増水してしまった。
ネグロ川を旅した今回の成果は、一先ず聞かずに察して欲しい。
名誉のために、旅した期間を記しておくと2023年2月だ。同じ期間にネグロ川にいた人だけが、この厳しかった状況を共感してくれるはずだ。
アマゾンの魚と言えば…
アマゾンの魚と聞いて、ブレコ読者の皆さまはどんな魚を思い浮かべるだろうか。
ピーコックバス、アロワナ、ピラルク…。他にもカショーロやタライロン、レッドテールキャットフィッシュやピラニア…。
とにかく沢山の個性的な魚達が思い浮かべられるだろう。
今回の旅では、それらを1種ずつ釣り上げながら進んでいく、いわばスタンプラリー的な旅路を送ったのだが、これぞピラニア!というイメージがあるピラニア・ナッテリーが最後まで釣れなかった。
ピラニアの世界観
ピラニアという魚は実に種類が多い。僕なんかではパッと見ただけでは種類を言い当てられないほどだ。
今回の旅を通して幾種類かのピラニアと出会うことができたが、一番簡単にどこでも釣れるものだと思っていたピラニア・ナッテリーを釣り残してしまった。
もうお気づきだろう。
今回の記事は、南米最終日に都会マナウスでピラニア・ナッテリーを探すお話しだ。
マナウスのピラニア釣りといえば…
都会には様々な観光ツアーが存在する。アマゾンで一番旨い魚と言われるタンバキーの炭火焼きをタンバキー専門店で食べながら、iPhoneで『マナウス ピラニア釣り』と調べるといくつかツアーが出てきた。
話のネタにもなるし、マナウスのエコツアーなるものがどんなものか参加してみようかと少し迷ったが、やっぱり最後まで自分の脚で探して釣りたいという欲求が勝ってしまい、気が付けばgoggle mapやearthを開いていた。
世界共通の都会的な好ポイント
ピラニア・ナッテリーが釣れるだろうと僕が目星をつけた場所は水上レストランが集まるエリア。残飯を求めて魚が集まるのは世界中どこでも同じという訳だ。
釣り餌としてスーパーで牛肉とソーセージを購入し、水上レストラン街に向かった。
牛肉が一瞬で無くなるぞ!
レストラン街に着いたら早速、パックロッドを組み立て、針に牛肉を付けて川に投げ込んでみる。
すぐにはアタリが出ず、都会でそんな簡単には魚は釣れないか…。と思っていると、釣り針から牛肉が取られている。
これは!…ピラニアの仕業に違いない。でも、ちょっとサイズが小さそうだ。
釣り針も牛肉も小さくして、アタリが出ない釣りに四苦八苦していると、ようやく1匹ヒットした!
念願のピラニア・ナッテリーだ!
10cmほどの小さな魚だが赤い色味ということに一気に期待感が高まる。
小魚を落とさないように大事に釣り上げると、ずっと釣って見たかったピラニア・ナッテリーだ!
この先の人生、この魚に嫌というほど他の魚釣りの邪魔をされるのだろうけど(既に邪魔されてたかもしれない)、今この瞬間はとっても幸福感と達成感に満ち溢れている。
初めての1ピキってどんな魚でも嬉しいものなのだ。
レストランでピラニア釣りを楽しむ
ピラニアは岸から釣れてくれたのだが、せっかくなのでレストランで食事をとることに。
パクーの唐揚げ定食をオーダーし、レストランからも釣り糸を垂らしてみる。
すると、小さなピラニア達が牛肉に群がってくるではないか。まさに、肉を削ぎとっていくピラニアのイメージのそのものだ。
数は数十匹、いや100匹以上はいる。如何せんサイズが小さくて迫力に欠けるが、見てみたかった光景が最終日に見られて大満足だった。
ピラニアの他にも
釣ったピラニアをナイフで切り分けて餌にすると、小型のカラシンやシクリッドが掛かってくる。
どれも、僕の勉強不足で種類が分からないままだが…。知らない魚でも初めて釣れると嬉しいものだ。
この魚は、餌を素早く動かしたときにだけ食いついてきた。何となく、鱗を食べるスケールイーターなのかなと思わせる動きであった。
最後はネグロ川本流へ移動
水上レストランでのピラニア釣りに満足した僕は、ネグロ川本流へ向かった。
最後にナマズでも釣れないかと思い、サビキ仕掛けの針全てに牛肉やソーセージをつけ増水しきった大河にブッコんだ。
フライト時間のギリギリまでアマゾンを楽しんだ
想像通り、ネグロ川本流でのブッコミ釣りでは、ナマズ達が釣れてくる。
マナウスという大きな街の中ということで、ゴミや油が浮かぶような汚い環境ではあったが、飛行機に乗るまでの時間調整という意味では充分楽しむことができた。