珍魚あぶらぎっちょを追う。(新潟県佐渡島)

今年の夏も暑かったですね。
私の夏休み後半にどこに行こうか迷っていると、
管理人の本多くんから「佐渡島に来ませんか?」と、お誘いがありました。
そういえば、20数年前に訪れてから行ってないなぁ。
佐渡と言えば金山とトキ(鳥)しか思い浮かばない。

私 「何が釣れるの?」と相変わらず釣りのことばかり。
本多くん「チヌ」「シーバス」「 マゴチ」
          あとは「あぶらぎっちょ」ですかねぇ~~~
私 「あぶらぎっちょ」って???

いざ佐渡島へ

初めて耳にする得体のしれない魚に思いを馳せながら、佐渡を目指す。
話を聞くと、あぶらぎっちょを釣るのに道具や仕掛けは要らない。
餌はイカの切り身で釣れるとのこと。

名前から想像するに、油のようにヌルヌルし、ぎちょぎちょした魚。
私の頭の中では、こんな邪悪な顔をした「あぶらぎっちょ」が頭の中を占領している。実際、どんな魚なのかワクワクするので事前に調べることなく現地へ向かった。

あぶらぎっちょを釣る?

あぶらぎっちょは海水魚なので、釣り場は海岸でした。
砂浜ではなく、5センチ位の小石からなる日本海。
途中のスーパーマーケットで購入した、冷凍イカを解凍して釣り?の準備をする。


何と、釣りの道具は手だけ。
イカを1センチ位にちぎって手の平で握る。 

 本多くんに言われるがままに、イカを握った手を石の間に潜り込ませる。


うわぁ~~~
何だかモゾモゾしてきた。
これがあぶらぎっちょなのか???

想像するに今、私の手の中には何かが3匹位蠢いている。
確実に手の中のイカをかじりにきている。
が、時折、間違って私の指をかじっているぞ!!!
痛くはないけど、恐ろしい。
何がいるんだろうか?
エイリアンの子供に、お腹を食い破られるシーンが頭の中をよぎる。
意を決して、
ギュッと手を握りしめて、水からあげてみた。

でたぁ~~~
恐る恐る手のひらを開けてみると、いた!
ミミズのようなゴカイのような何か。
想像よりグロテスクな 「あぶらぎっちょ」 が自分の手の中にいた。

あぶらぎっちょ(ミミズハゼ)とは

捕れたあぶらぎっちょを観察してみます。

大きいもので10センチ位。
ウナギのようなツルツルな感じでよく見ると可愛い。
本当に可愛いか?どアップにしてみる。

う~ん。
可愛くはないか、、、。
目と口の間にあるのは、鼻なのか???
シャクレ口は好感が持てるなwww
謎が深まる。
こんな時は、Wiki先生に聞いてみる。

スズキ目ハゼ科ミミズハゼ属

小型種で全長4 cmほど、大型種で全長10 cmほどである。
体に鱗はなく、皮膚はヌルヌルした粘液で覆われる。
ミミズハゼ種群、イドミミズハゼ種群、オオミミズハゼ種群、ヤリミミズハゼ種群、ナガミミズハゼ種群の5つに大きく分けることができる。
小さなゴカイやヨコエビなどを捕食する。
確認されているだけで日本には、15種が分布しているが、それらの種分化についてはまだ研究が進んでいる最中で、将来的には20種類を超えるとも云われる。

なるほど
なるほど
もしかしたら、今回、採取した個体は新種かもしれない~。と新しい夢が広がりました。

ミミズハゼについて調べていると、北海道から鹿児島まで広く分布しています。
さらに、私の住む東京の隣、千葉県にある三番瀬でもミミズハゼは棲息しています。潮干狩りの時に石や貝殻をひっくり返すと、ミミズハゼが発見できるかもしれませんね。な~んだ、日本海までいかなくても電車で見つけられたのかもなぁ。
wiki先生、勉強になりました。いつもありがとうございます。

話をあぶらぎっちょ捕獲に戻します。
で結局、あぶらぎっちょ釣りは面白い。
ほんとに面白いです。
どんだけ面白いか?

あぶらぎっちょの捕食シーンとリリース動画

是非是非

イカを片手にチャレンジしてみてください。
子供も大人も笑顔になれる釣りですよ。

沢山取れました。
ちょっと食べてみたかったけど、今回はすべてリリース。
日本海で必死に生きているあぶらぎっちょは、不思議な魚でした。

佐渡島であぶらぎっちょ(ミミズハゼ)釣り

日本中に棲息していそうなので、全国的に調査を続けてみたいです。
今後、海岸線で片手を海に突っ込んでいる大人を見かけたら、あぶらぎっちょだなとニヤリとしてくださいね。

絶滅したトキを追う

あぶらぎっちょに向かう道中。

私「そういえば、トキって絶滅したんだよねぇ」
本多くん 「普通に居ますよ」
私  「えっ?」
本多くん「朝夕、田んぼに居ます」
私  「見たいよ」

そして移動の車の中で、田んぼにくぎ付け。
鳥は沢山いるけど、アオサギやシロサギばかり。

・・・。

しばらくすると、本多くんが田んぼにいるトキを見つけてくれた。

私の200ミリの望遠レンズでは、これが限界でした。

見たこともない姿をした鳥。

学名 Nipponia nippon   ペリカン目トキ科トキ属
2003年に、最後の日本産トキが亡くなりました。
絶滅したと思っていましたが、今では繁殖活動と放鳥により佐渡島には500羽程度が生息しているようです。

美しい鳥ですね。
もう、絶滅することが、無いように見守っていきたいです。

帰りの佐渡汽船の張り紙に、なんだかホッコリさせられた。

最後までご覧いただきありがとうございました。
海、山、川、金山と遊べる佐渡島は最高でした。
是非、訪れてみてください。